明治24 年( 1891 年)、後のロシア皇帝ニコライ皇太子が国賓として来日。訪問先のひとつに薩摩が選ばれ、島津家がこれを歓待し、日露平和促進の歴史的 一ページとなりました。
この先人達の偉業を顕彰し温故知新の精神に則り、薩摩文化、ひいては、観光、経済、その他人的交流を通じて、未来志向の下、日露両国を新たなる発展へ導くこと

大津事件という国難を、島津忠義公とニコライ皇太子との間に芽生えた友情と信頼で回避できたという、歴史的な背景もあるお二人。その深い友情の絆を軸に“薩摩・鹿児島とロシアの発展的な交流を進めていこう ”と有志が集い、平成 27 年 2 月、「薩露交流促進協議会」発足。これまで、十数年がかりでクレムリン関係者と良好な友好関係を構築してきた赤堀代表を中心に、昨年、平成 27 年度は、更に大きく前進することができました。

そのきっかけは、昨年7 月 17 日、有志 7 名で参加したロシア最大の慣例行事「十字行」。
ロシア、エカテリンブルク市で開催されたロシア皇帝一家を偲ぶ巡礼ツアーで、約6 万人もの人々と、約 24 キロを薩摩武士装束で歩き参加しました。
この「薩摩サムライ」の行動と歴史的背景に、地元の方々が深く共感、感銘して下さり、驚くほどの歓迎。テレビ局 11 社、新聞社 38 社と約 50 社のロシアメディアで取り上げられ、「薩摩、島津、サムライ」の言葉が広く宣伝され、多くのロシア国民に忠義公とニコライ皇太子との友情秘話が伝わり、感動を与えたよう です。

「十字行」式典参加と行進

ニコライ2世一家の墓地ガニナ・ヤマ

「さつま武士装束」での巡礼は、「聖アンドレイ・ペルポズバニー財団」との入念なやり取り・協力にて実現。忠義公とニコライ皇太子との歴史的背景に、財団の方々が感銘を受け、財団副理事長のヤクシェフ・ミハイル氏にいたっては、終始巡礼に同行するほど協力的。モスクワでの「聖アンドレイ・ペルポズバニー財団」との会合は2 度行われ、薩摩とロシアとのこれからの「心の文化の交流」促進に向け、様々な意見が交わされました。

「聖アンドレイ・ペルポズバニー財団」での交流会

「十字行」開催の地、エカテリンブルクでは、スヴェルドロフスク州立法議会の公的サポートの下、温かな真心こもった歓迎。エカテリンブルク空港迎賓館でのスヴェルドロフスク州立法議会議長他、代表団の方々の会合をはじめ、その後の交流会でも、率直な意見が交わされ、お互いの認識を深めることができました。

エカテリンブルク市での歓迎

ロシアで最高に権威のある「聖アンドレイ・ベルポズバニー財団」関係者、及びスヴェルドロフスク州政府関係者との強い信頼関係が構築され、 11 月 26 日から 28 日に開催される、ロシアカザン市での国際フォーラムへの招待を受け、 6 人での参加実現となりました。

(平成27年11月)
カザン国際フォーラム参加

フォーラム会場にて、「聖アンドレイ・ベルポズバニー財団」理事長であるウラジミール・ヤクーニン氏(前ロシア鉄道省鉄道大臣、現在ロシア連邦議会上院議員、政府中枢の重要人物)との対談が実現。氏は、カザン国際 フォーラム主催代表である、ナタ―リア・ヤクーニナ女史の夫 。
その際、ヤクーニン氏より、7 月の十字行参加でロシア国民に感動を与えたとして、 12 月に開催
される最大イベント「第 23 回『聖アンドレイ国際賞』授与式典」への招待を受け まし た。

(平成28年12 月)
「第23 回『聖アンドレイ国際賞』授与式典」への参加

正式な招待を受け、巡礼を行った3 人が授与式に参加。今年度 は 8 名が受賞されました。

ウラジミール・ヤクーニン財団理事長との会談

式典翌日には、ウラジミール・ヤクーニン氏と会談を行い、「心の文化の交流」に向けた具体的な構想案について、意見交換がなされました。